創立40周年記念式典・記念講演

記事公開日:2025年11月10日

早良高校の創立40周年記念講演会の様子を紹介する画像です。

本年度、本校は創立して40年目を迎えました。10月31日(金)、多くの来賓の方々にお越しいただき、創立40周年記念式典及び記念講演会を行うことができました。

創立40周年記念講演会

 演題「夢の見つけ方」   講師 タムラコータロー 氏(11期生)

タムラコータローさんは、本校11期生で、在校中は生徒会長を務められ、卒業後はアニメの仕事をしたいと上京。現在は、数々の人気アニメ作品で絵コンテやオープニング演出などを担当されるなど、アニメーション業界で幅広く活躍中です。

中でも映画『おおかみこどもの雨と雪』では助監督を務め、テレビアニメ『ノラガミ』『ノラガミARAGOTO』、そして映画『ジョゼと虎と魚たち』では監督を務められました。映画『ジョゼと虎と魚たち』は、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞しており、世界26か国でも公開されて高い評価を受けている作品です。

今回は、そんなタムラさんに生徒達から質問させていただきながら進行していくという形で、高校時代の話や日頃は聞くことができないアニメーション制作の苦労や作品秘話などを語っていただきました。

タムラさんから本校生徒へのメッセージとしていただいたお話と講演後に伺った話をの一部を紹介します。

「小学校・中学校・高校では何かと目標を立てる機会があるけれども、これは自分で目標を立てる練習だと思ってほしい。大人になったら誰からも目標を聞かれることはないから。」と目標を立てて行動することで夢に近づく可能性が高まることを語ってくださいました。「大きな目標を持つだけではなかなか夢に近づけず心折れることもある。そのために中目標・小目標も一緒に作って小さな成功体験を重ねるとよいですよ。」とも。タムラさんは現在も夢に近づくために、また、そのモチベーションを維持するために常に目標を持って仕事に取り組んでいるそうです。

「今現在、夢や大きな目標を持てていなかったとしても、自分の中の“好き”を基準に道を選択しているうちに必ず登りたい山が見えてくる。まだ見えていない山(夢)であっても、道を選ぶときには“楽”を基準に選ばない方がいい。“楽”と“好き”が重なるに越したことはないんだけど、重ならないなら“好き”を選んだ方が後悔は少ないんじゃないかな。」

また「単に稼ぐことだけを考えるなら簡単な仕事を数多くこなす方がよいかもしれませんが、より大変な仕事をこなし秀でた業績を残した方が大きなチャンスに出会える。」とタムラさんの経験からの言葉。「何でもかんでも無理して挑戦することは難しい。時にはバランスを取ることも必要」とも言われましたが、どの世界にも通じるように感じました。

せっかくの機会なので、アニメ業界はこれから目指す生徒にとって就職先としてお勧めできる業界でしょうかと伺いました。現在は、アニメコンテンツをPR手段として使おうとする企業が増えているそうで、需要の高まりがある業界だとも教えていただきました。また、CG(コンピュータグラフィックス)やAIが普及している現状ですが、まだまだ手描きでの仕事はなくならないのではないかとも伺うことができました。ただ、現在は昔と違って配信などで過去作品を視聴できる機会が身近にあるため、過去の名作と常に競争することになり、より高品質な作品が求められている難しさがあるそうです。

タムラさんの今後の目標は、監督として新たな映画作品を制作することだそうです。作品を作るための苦労話や楽しさをたくさん語っていただきましたが、そもそも映画制作のために掛かる莫大な予算を出してもらえるよう関係各位を説得することが、作品を作る以上に難しいとのこと。『ジョゼと虎と魚たち』はコロナ禍で大変だった2020年の映画で、本来夏公開予定だったものが先行き不透明な状況となり、冬にようやく公開に漕ぎつけるも映画館の舞台挨拶回りは軒並み中止。他国の映画祭で映画が上映されても一切渡航できず悔しい思いをしたのだとか。次はもっと大勢の方々に作品を届けたいと、コロナ禍で学校生活に制限があった生徒達に語っていらっしゃったのも印象的でした。

自分の作品を語ることはあってもご自身のことを語る機会は少ないというタムラさん。「やってみたことがないことは、やってみたらいい経験になるし、どうにかなる。」と今回の講演会もお引き受けくださいました。高校生時代から今に至るまで大勢の前で話すのは苦手だとのことですが、貴重なお話をたくさん聞かせていただきましたことに感謝申し上げます。

オープン・ハートポスター